THE☆SPIRALs――Part.8

〜スパイラルコミックス9巻発売〜の巻




A「おめでとう諸君、実におめでとう。ようやく、待ちに待った9巻の発売じゃないか」

K「あ〜、アイズ? おめでとうと言いつつも俺にナイフを突きつけるのは何故だ?
  しかも顔が笑ってないぞ?!」

A「口答えをするな!」

K「してない!」

Y「ま〜ま〜、落ち着いてください、お二人とも。
  アイズさん、今回あまり出番がなかったからといって、そんなに怒らないでくださいよ。
  今回、皆さんで痛い目にあったのだから、言い合いはなしです」

N「俺はあんたの正体が見えた瞬間の、精神的なダメージが一番酷かったぞ・・・。
  本気で殺されるかと思った・・・」

Y「実行してあげましょうか?」

K「結構だ! むしろ断る!」

T「相変わらず、止めるどころか悪化させているようにも見える子だね・・・結崎は」

R「うん、なかなかやっかいな人だしね。
  さて、今回のスパイラルの一番ダメなシーンを取り上げてみましょう!」

T「なんだい、突然?」

R「香介君が眼鏡を取りました」

K「何なんだよ、それ!」

T「うん、あれはすさまじくダメだったな。
  何というか、もうただの芋に成り下がった、ていう感じだ」

H「浅月は、眼鏡があるからこそ浅月だもんね〜。
  だから、浅月はいつでも眼鏡をかけていておくれよ。
  予備の鼻眼鏡なら、いつでも用意できるから」

K「いらない!」

N「確かに、鼻眼鏡じゃあ、度が入ってなければ意味のないイミテーションだ」

A「浅月のようにな」

K「どういう意味だ!
  しかも、度が入ってるとか入ってないとかの問題じゃあないだろ!」

Y「そうですかね〜?
  役に立てば、それで良いんですよ」

T「うわ、何かこの子の本性がだんだん見えてくるね・・・」

Y「それだけ、皆さんと仲良くなったという証拠ですよ。
  正直、あまり仲良くしたくはありませんけど・・・」

H「奇遇だね、僕もだよ」

Y「それに、私は結構、浅月さんの眼鏡無しバージョンも良いと思ったんですけど?」

T「なんだって?
  はぁぁぁぁ。あんたは判ってない、全然判ってない!」

Y「む・・・。失礼ですね、このひよのちゃんに、判らないことなど在りません!」

N「その情報力が、いつもながらに恐ろしいよ」

R「まぁこの場合、知識とかじゃありませんからねぇ・・・。
  ようするに、世間一般から見る、香介君の定義です」

A「なるほど、たこ焼きにタコが入っていなければ、たこ焼きとは言い難いように、
  アサヅキに眼鏡がなければ、アサヅキとは言いたくないわけだな」

H「そんな感じだね。
  そうだアイズ、丁度この話題で盛り上がっているところだから、今日の実験はこれにしないかい?」

A「今日はいい天気だ」

N「わ〜、何か無視されたな、ヒズベルト」

H「今日は良いお天気というには、ちょっと雲が多いような気がしますけど・・・」

R「今年は梅雨明けが遅いですからねぇ」

T「ああ、雨がよく降るから、部活に支障が出て仕方ないよ。
  おかげで、涼しくてやりやすい面もあるけどね」

K「そういや、今年はまだ扇風機すら使ってねぇな・・・」

R「単に電気代をケチってるだけじゃないの?」

K「環境に優しいと言え!
  そもそも、エアコンなんてその気になれば必要のない物なんだよ!」

H「心頭滅却すれば、火もまた涼し、だね?
  香介はついに神経まで腐ったのか」

K「失礼なことを言うな〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」

A「よし、今日の実験はこれだ!」

K「話を聞け!」

R「でも、さほど重要な事じゃないしね〜」

K「地球に生きているという自覚が足りん!」

Y「浅月さん、これ以上話を逸らしても、またアイズさんを怒らせるだけですよ?
  ここは大人しく実験台になって下さい」

K「俺に救いはないのか?!」

T「香介・・・ブレード・チルドレンに救いはないのさ」

K「俺に限定されている気がするのは気のせいか?!」

H「うるさい」

ドゴッ(鈍い音がし、香介撃沈)

T「さすが、ガン・ウィズ・ウィングと呼ばれた男!
  なんて鮮やかな」

N「あいつ今、思いっきり鈍器で殴ったよな?!」

H「気にしないでくれよ、歩君」

N「血の付いた鈍器を片手に、微笑んで言うなーー!!」

Y「我が侭ですね、鳴海さん。
  浅月さんも、大人しくリーダーの名案を聞いていればよろしかったのに」

A「まったくだ・・・。
  さて、すっかりタイミングを逃したが、実験の内容に移ろう。
  今日の実験内容は・・・これだ」

Z『?!』

T「こ、これは・・・!」

Y「私のスタンガン、ですねぇ?」

H「イマイチ地味だね」

N「十分脅威だ!」

R「それで・・・そのスタンガンで、何を実験するの?」

A「ズバリ、浅月がどのくらい発電できるか、だ!」

N「スタンガンは関係ないのかよ!」

A「イヤ、途中で気が変わった。
  そこで、ここに人力発電の装置を用意してある」

H「途中で気が変わった割には、妙に準備が良いな〜。
  さすが、アイズ!」

R「人力発電か〜。
  そうだよね、環境のために節電って言ってるんだから、自分で電気ぐらい作ったって良いよね?」

T「自転車タイプか〜。
  面白そうだから、あたしも後で発電してみようかな」

Y「さぁ、浅月さん、何時までも眠っていないで起きてください」

K「う・・・ぐぅ」

A「よし、起きたな。
  ではそのままずっとその装置をこいでいろ。
  我々はもう解散する」

K「え・・・そんな」

A「それでは」

Z『良い夏休みを〜!』

K「こら待て〜〜〜〜〜〜〜!!」



A「あ、しまった」

R「どうしたの、アイズ君?」

A「電力量を調べるための装置を、つけ忘れてきた・・・」

Y「え〜、それじゃあ、実験結果が計れないじゃないですか〜」

H「まったくもう、アイズは意外とドジだね〜」

N「浅月、哀れ・・・。
  地球のために、ガンバレよ、先進国民」




本日の実験・・・失敗。




T「香介〜、休むな!
  お前が休むと、テレビが見られなくなるんだ!
  香介の発電した電力で動いてるんだからな!」

K「んなこと言われても、何だか血液が足りないんだって・・・。
  9巻でボロボロなんだよ〜」

T「だらしがないな〜、替われよ!」

K「イヤ、お前の方がボロボロなんだから、替われねぇ」

T「なに言ってんだい、香介の方が絶対にムチャしてるだろ?!」

K「してない!」

T「してる!」

K&T『・・・・・・(何やら口げんかしている)!!』



A「心配でちょっと来てみたが・・・割と元気そうだな」

R「うん、良かった!
  ちょっと元気なくなってたからねぇ、カノン君との戦いで」

N「でも、あのままにしておくと、いつかぶっ倒れやしないか?
  暴れまくってるぞ」

Y「ですよねぇ。私の情報から言っても、間違い在りません」

H「倒れない内に、捕獲しておこうか」

A「ああ・・・」

N「なんだかんだ言っても、ブレード・チルドレンの絆は固いな・・・」

Y「ええ、彼らの運命がなんなのかは知りませんけど、ちゃんと彼らは生きていますからね。
  屈することなく、生きようとして、生きています」

N「じゃあ、部外者は先に立ち去るとするか」

Y「そうですね」

(歩、ひよの、遠ざかっていく。
 その後ろでは、ブレード・チルドレン達が笑い合っていた)






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