THE☆SPIRALs――Part.7
〜アニメ最終回〜の巻
A「祇園精舎の鐘の音、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理を現す。
まったく上手いことを言ったものだ。まさにその通りだと、今更ながらに実感してしまうな」
K「あ? どうしたんだ、ラザフォード。いきなり平家物語の冒頭なんか引っ張り出してきて。
つか、外国人らしくないぞ、ポケットから煮干し出したりもするし・・・」
T「このご時世に何言ってんだい、香介。
国際化で各国の隔たりが徐々になくなっている今、
国によって人間を区切るのはナンセンスだよ」
R「わ〜、亮子ちゃん格好いい!
そうだよね、現にアイズ君やカノン君とか、
日本以外にもブレードチルドレンがいるもんね! 国とかはもう関係ないよ。
や〜い、香介くんの時代遅れ」
H「う〜ん、確かに僕も、アニメでの香介のコートはちょっと老けて見えると思うね。
それなのに性格は子供っぽいし、髪は赤いし。かなり微妙な組み合わせだよね〜」
N「ちょっと待て、話が脱線してるぞ! 何でいつも浅月の悪口でそう話を進めるんだ?
止めろとまでは言わないが、せめて話は戻してくれ」
K「フォローしてくれよ、鳴海弟・・・」
Y「え〜っと、じゃあ鳴海さんのご期待に応えて、話を戻しますね。
そもそもラザフォードさんはどうして平家物語の引用をしたのでしょうか?
ラザフォードさん、お願いします」
A「ふ・・・アニメのスパイラルが終わってしまったことについてだ。
形ある物は必ずいつかなくなる。
アニメも、いつかは終わる物と判ってはいたのだがな・・・。
いざ終わってみると、どうしても虚無感が拭えぬものだ」
Y「ふ〜む、確かにそうですよねぇ。
私も毎日見ていたお昼の連続ドラマが終わったりすると、いささか寂しくなります」
R「私もその気持ち分かります、ひよのさん。
何だか、必ず来る終わり・・・運命を垣間見て、妙にしんみり来ちゃうんですよね」
T「あたしにはその気持ち、判らないな。そもそもテレビ自体あんまり好きじゃないね。
家でテレビ見てるより、外でランニングしてた方が、よっぽど有意義だし」
K「言ってることはもっともだけど、亮子も結局時代に当てはまってないじゃねーか!
というか嬢ちゃん、平日の昼の連続ドラマなんて、どうやって見てるんだ?
まさかわざわざビデオに撮ってるのか?」
H「例えだよ、香介。真面目に受け取らない。だから間抜け眼鏡って呼ばれるんだよ?」
K「俺の悪口に行き着かないでくれ!」
A「ふむ、では今日の実験はこれで行こう」
K「うわぁ! まだやるのか、実験! アニメ最終回って事で、もう終わりにしないか?」
N「諦めろ、浅月。
その程度で主旨変えするような奴じゃないことは、お前も良く知っているだろう?
ま、最期までやられ役ということで頑張ってくれ」
K「待てい、最期って何だ! 死ぬような実験をされるっていうのか?
それとも死ぬまでの間一生実験に付き合えって事なのか?!」
R「気にしない、気にしない。それよりアイズ君、今回は何に決まったの?」
A「ああ、今回は最終回記念ということで、アサヅキの要望に応えてやろうと思ってな。
で、アサヅキ。何がいい?」
Y「おおお、THE☆SPIRALs始まって以来なかったことですね!
この異例の事態に、果たして浅月さんは何と応えるのでしょうか!
では浅月さんお願いします」
K「いや、出来るなら実験ごとなしにしてく」
T「却下だね」
H「右に同じく」
A「もちろんだ」
N「だから浅月、こうなることは目に見えてるんだから、もっと賢く答えろ。
せっかくのチャンスだ、慎重に事を進めるべきだ」
K「んなこと言われてもな。じゃあ、俺に命の危険がなければ、何でも良い。
怪我するのとか薬とか物理的攻撃とか、絶対やだぞ!」
A「よし、判った。今回は実験ではなく、観察を行うことにする」
K「は?」
R「観察かぁ。じゃあ、尾行とかが必須かな?
公式設定では私と亮子ちゃんが香介くんと一緒に暮らしてるから、私達の役目かな?」
T「確かに香介って、いつも至る所をふらふらしてるね。
前、香介に再会する前は、結構ヤキモキしたもんだよ。まったく世話の焼ける。
でも、香介って今は所在も生活日程もあたし等と似たり寄ったりだから、
観察のし甲斐がないんじゃないのかい?」
H「その心配は無用だと思うよ。ないのなら、状況を造ればいいのさ。
どこか遠くの地へ、香介を一人置いてくるとか。
人を雇って拉致させるのもスリルがあって良いかな?
あ、でも拉致はちょっと香介の言った条件に引っかかるか」
Y「ということは、遠くの地へ放置、ですか?
単に置いてきたんじゃ素敵なトラブルが起こってくれないと思いますよ。
その辺りはどうするんですか?」
N「トラブルは起きないに越したことはないと思うぞ。
って、言っても無駄なんだろうな。だからせめて意見を言わせて貰う。
浅月を、数人同行者を連れた上で遠くの地に行かせるんだ」
A「成る程、このメンバーで旅行に行く、ということか。
誰かしらトラブルを起こしそうな気もしないではない。
しかし全員行くのでは面白くないから、人選はジャンケンで決めよう」
K「カノンの拉致案よか断然ましだから、それで良い。
んで、俺はどうすれば良いんだ?」
A「決まり次第唐突に知らせに行く。それまで待ってろ」
K「へいへい。そこも、普通には行かせてくれないってワケか」
R「この展開だと、私達は必ずしも重要なポジションに着くワケじゃなくなるね。
少しは可能性が広がった感じ」
T「それはそうと、記録はどうするんだい?
さっきから気合いたっぷりでビデオカメラ構えてる子がいるんだけどさ」
H「あ、僕からちょっと意見。小説形式にしてみたりすると、面白いんじゃないかな?」
R「それいいかも。ビデオより、管理人には表現しやすいだろうし」
K「・・・? なぁ、以前から思ってたんだけど、管理人って誰だ?」
Y「特に気にするまでもない存在です。
まぁ、今回は記録の方は管理人に頼んでおきましょう」
N「さて次はジャンケンだが、浅月がこの場にいたら意味がないんだよな。
だから一度、お開きにしないか? 一区切りとして」
A「もっともな意見だ。採用させて貰う。
では、この辺で。また次の機会にお会いしよう」
Z『さようなら〜!!』
本日の実験・・・続く。
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