「黒の陽炎2」――Act.2



 軽快な音が連続して鳴り響く。ラケットにボールが当たった瞬間にまず一回。地面に飛び込んで一回。その二種類の音が一定のリズムでテニスコートを行き来する。
 センターのネットを境にして、二人の少年は立っていた。彼らは交互にボールを打ち合っている。
 癖毛の少年がボールを叩いた。日に透けて少年の髪は黄色に輝く。回転を加えられたボールは地面につくと急激に方向を変え、右にはねる。
 それを茶髪の少年が追った。足を一歩踏み出し、最小限の動きでボールをとらえる。彼の青い瞳が鋭くなる。ラケットを真っ直ぐスライドした。ボールにさらなる回転が加わる。ボールはネットすれすれの所を通り、相手のコートへ転がり込む。
 癖毛の少年は大きく前へ飛んだ。利き足で踏み込み、地面に近づいたボールをすくい上げるような動きで叩く。ボールは緩やかな放物線を描いて戻っていった。
 忍足はテニスコートを加工用に張り巡らされている柵の網目を握りしめる。中学二年生にしては大きな手に力が込められる。網目が少し変形した。度の入っていない眼鏡の奥で、彼の切れ長の瞳がさらに細くなる。
「遊んどるなぁ……」
 目の前では、まだ同じリズムが刻まれている。二人の少年の顔は笑っていた。忍足から見て、一番手前のコート。部活の時間、練習試合用に使われているはずの場所は、本来の使われ方をしていなかった。
 傍目からは二人が試合をしているように見えるのだろう。見方によっては、白熱した接戦だ。どちらもミスすることなく、かれこれ数分間打ち合いが続いている。ボールは一度もコートを離れない。
 だがこれはゲームだった。リズムを崩さないで打ち合うというゲームだ。忍足が見れば判ってしまう。試合なんてする気はなくて、二人は遊びに興じているのだ。
 こんな所でコートを眺めている忍足も当然部活に身が入っていない。しかし腹が立つことに、目の前で遊んでいるのは、いつも忍足の不真面目さを小うるさくしかる跡部だった。茶髪の方である。
 先輩の言うことすらろくに聞かない忍足でも、跡部の言うことは仕方なく聞いている。理由は単純、跡部が忍足よりも強いからだ。自分よりも弱い奴なら、先輩でも言うことを聞きたくない。だが跡部は格別だった。
 それに生まれながらの才覚に加え、跡部は誰よりも部活熱心だった。真面目な跡部の言うことならば渋々言うことを聞いてやる気にもなる。それなのに今跡部は遊んでいる。
 いつもは遊ぶなとうるさいくせに。忍足は練習を再開する気にもなれず、淡々と続く「試合」と眺めていた。
 跡部と打ち合っているのは芥川慈郎である。癖毛でくしゃくしゃになった髪の毛はいつもふわふわしていて、愛嬌がある。気付けばいつも眠たげにいている瞳は、テニスをするときだけはらんらんときらめく。もちろん、今も。心の底から楽しそうだ。
 どんな接戦でも、慈郎の試合ならば安心して見られる。勝っても負けても嬉しそうな慈郎を見ていると、結果などどうでも良くなってくるのだ。とはいえ、慈郎が負けるところなど滅多に見たことはないが。
 忍足は苛立ちと共に疑問も湧き上がっていた。どちらも部活に関しては真面目だ。さぼることはおろか休憩時間にも練習をしているくらいである。その二人が部活中に「遊んでいる」のは初めて見る。
 何にせよ、何度も部活をさぼっている忍足と比べれば、二人の態度は遙かに真面目に違いない。遊びとはいえ、一応高度なテニスの練習をしている。二人の息が合っていて、それ相応の技術を持っていなければ、同じテンポで打ち続けることなどできない。
 違和感を感じてしまうのは、先日慈郎の奇妙な態度を見たせいだろうか。普段の慈郎からは考えられない、鋭い視線。まるで、慈郎なのに慈郎ではないような。
 しかし今の慈郎には何の異変も感じられない。まぶしいほどにきらきらしている慈郎の表情はいつものままだ。あの鋭い視線の影も形もない。
「侑士〜!」
 やたらと大きな声がして、忍足は柵に頭を押しつけた。急に思考を切断されて、脱力してしまったのだ。忍足はあからさまに嫌そうな顔で声のした方を見る。テニスコート沿いの水道場で、誰かが手を振っていた。
「ダブルスやろうぜ〜!」
 小さい体で飛び跳ね、彼は大声で叫ぶ。彼のおかっぱ頭を見れば顔を確認するまでもなかった。岳人だ。
 体の割に声がでかい。忍足は非難してやろうかとも思ったが、周りの視線が痛かったので大人しく岳人に従うことにする。岳人と忍足に集中する視線は「またか」と物語っていた。
 忍足と岳人のでこぼこコンビは、もはや氷帝学園テニス部の名物となりつつある。しかも二人のダブルスはトップクラス。関心が集まらないわけがない。
 忍足は網目から手を放す。クールダウンのつもりで休憩していたのだが、体はすっかり冷え切っていた。岳人が恥ずかしいことをしたせいで、頬だけは少し熱かった。
「試合が終わったら絶対にシメたる」
 低い声で呟けば、偶然聞いてしまった通行人Aがさっと青ざめた。忍足は喉の奥で笑う。
 結局のところ、忍足もテニス馬鹿なのだ。誰が相手をするのかわくわくしていた。それを隠すかのように、忍足はまだ叫んでいる岳人に向かって「やかましい」と言った。

 同じユニフォームを着込んだ人間が、ずらりと並んでいた。直立不動で、軍隊のように整然とした列をなしていた。氷帝学園、テニス部。総勢二百余名が並ぶと、なかなかの迫力になる。
 数名欠けても判らない人数だが、今日だけは確実に全員がそろっていた。テニスコート脇の広場はテニス部で埋め尽くされている。一年から順に並んでいる。中学生ともなれば一学年違うだけでずいぶん身長差があり、階段のようになっていた。 
 前に二人立っていた。部長と顧問の榊である。部長はお飾りのようなもので、榊の後ろに陣取っていた。彼らの横には掲示板がある。真新しい大きな紙が一面に貼られていた。
 誰一人として声を出すものはいなかった。他の部活の声が聞こえてくるほどだ。活動時間の終わりが近づいた今、部員たちの影は長い。淡く赤色に色づけられた雲が頭上をよぎる。
 榊は掲示板の前に立ち、声を張り上げる。
「これから部内対抗個人戦の順位を発表する!」
 何人も息を飲んだのが判る。特に一年生には初めての試合となる。ここで自分がどういった位置づけになるかは大きな問題だった。例年、この入部してすぐの個人戦でやめていく一年生もいる。
 上級生も案じてはいられない。先輩として、後輩に負けるのは大きな屈辱だった。昨年は跡部、忍足といった新人が三年生すら押さえて上位に入選した。今年も二人は上位に上がってくることは間違いないが……せめて一年生にだけは負けまいと真剣に戦った。そのため例年よりも白熱した対抗試合になったと榊はほくそ笑む。
「口頭では上位二十名のみの発表とする。他は掲示板の用紙を見るように。
 では二十位から!」
 次々と名前が呼ばれていく。感嘆の声を漏らす野暮な者はいない。榊のみが声を張り上げる。簡単な成績とフルネームが繰り返される。上位になるにつれ、部員たちの緊張感は高潮していった。
 自分の名が呼ばれるかもしれないという期待。一、二年生の名が上がったときの驚嘆。例年上位をキープする者が再び上位を死守したことへの尊敬。言葉はなくとも様々な感情が渦巻いている。声を上げたくて、視線を合わせたくてうずうずしていた。
 昨年は十位以内に入った跡部と忍足だが、今年はなかなか呼ばれなかった。先に慈郎や岳人の名が呼ばれていく。
 二人に焦りはなかった。むしろ、他人の名が呼ばれていくごとに笑みが深まる。部員たちは「まさか」と思った。二通りの考えに別れる。今年はランキング外か、それとも。
「二位、忍足侑士」
 ……ツートップ。その予測が、肯定された。忍足は予想通りの結果に喜びながらも苦笑する。三年生を押さえて二位ならば、素晴らしいことだ。だが彼には敵わなかった。
 もはや最後の人間は聞くまでもない。たった一人しか残されていないのを誰もが知っている。
 榊はためらわなかった。ためらう必要はなかった。二位の発表からさほど間を開けずに言う。
「一位、跡部景吾!」
 その瞬間、歓声が湧き上がった。拍手の音が空気を飲み込む。榊は一瞬部員たちの盛り上がりに驚くが、厳しい表情は崩れなかった。拍手と歓声が和らぐのを待つ。しかしそれらは収まるどころか、やがて跡部コールへと変わっていった。
 学年などもはや関係ない。三年生でさえ両手を上げるしかないのだ。跡部は圧倒的すぎる。認めざるを得ない。
 跡部は音の渦の中に立ち上がる。何を始めるのか。一斉に視線が跡部の方へと注がれた。二年生で出席番号が最初である跡部は、ちょうど最前列の中央にいた。一歩前へ出て榊の横に並ぶ。彼は榊に何かを告げたが、音にかき消されて榊以外は聞き取ることができなかった。榊は頷く。
 跡部は部員たちの方を向く。すっと両手を胸の位置に上げた。手を叩くと、音は急速に引いていった。
 唐突に訪れた沈黙によって、耳鳴りがする。体が成長しきっていない跡部は榊と並ぶと小柄で細身だった。反して自信に満ちあふれた表情は威厳をも感じさせる。堂々と胸を張るその姿はまさに「王者」だった。
 声変わりを終えたばかりの幼い声が響く。
「四月からの大きな対抗試合、お疲れさまでした。自分たちの実力を計る一つの機会となり、参考となったと思います。
 しかし、これはあくまでも目安です。まだレギュラーを正式に決定する試合が残されています。時間は少ししかありませんが、そのわずかな間に実力が変動することもあるでしょう。幸い今回は一位になることができましたが、もちろんこれからも精進していくつもりです」
 大人びたコメントに、忍足は思わず跡部が同じ中学生であるということを忘れる。跡部の持つ雰囲気に酔いしれた者も少なくない。声を上げることすら忘れる威圧感が部員たちの心をとらえていた。
 相変わらずのカリスマ性で。忍足は心の中で笑う。そうしなければ跡部の雰囲気に飲まれてしまいそうだった。それだけは忍足のプライドが許さなかった。跡部には絶対敵わないと認めるようなものだ。服従するには、忍足は強すぎた。
 跡部は微笑を浮かべた。冷たくも美しい。これほどまでに氷帝の名にふさわしい王者は今までなかっただろう。
「自分を磨け。追いついてこい。俺はトップの座は死守してみせる」
 彼は高らかに宣言した。
 再び歓声が上がる。先ほどよりも大きな跡部コールの波が襲ってきた。
 榊は苦笑する。本来顧問である自分が行うはずのまとめを、部長でも何でもない跡部がやってしまった。恐ろしいカリスマ性である。その上実力もナンバーワンと来れば文句なしだ。
 さて、いつ解散させようかと、榊は悩む。跡部は腕を組み、仁王立ちで、佇んでいた。跡部コールは、しばらくやみそうにない。

 掲示板には人が群がっていた。主に一年生で、二年生は後から見ようと先に片づけを始めている。三年生は後輩たちに後を任せて、着替え始めていた。
 一年生の群れから外れて、一人だけボール拾いをしている少年がいた。真っ直ぐに切りそろえられた茶髪が、下を向くたびにさらさらと流れる。夕日に照らされて赤く映えていた。
「あれが日吉か」
 柵に背を預けて忍足が呟く。岳人が頷いた。
 日吉は個人戦の結果を見るまでもない。呼ばれたのだ。上位二十名の中に。一年生で二十名の中に入っていたのは、日吉とあともう一人だけである。間違いなく、いずれ氷帝学園テニス部を引っ張っていく存在となる男だ。
 そのもう一人というのは、今跡部のすぐ側にいた。解散宣言を出された後だというのに、直立不動のまま跡部の前にいる。跡部のカリスマ性を見せつけられた後で気軽に話しかけられる奴など、早々いないが。
 忍足は目を疑いたかった。跡部の前にいるその一年生が、一年の学年色を付けていることが、信じられなかった。いっそ幻覚だと思いたかった。
 中二にしては背の高い忍足がそう思うのだから、平均身長以下の岳人はどう思っていることだろう。忍足とそう変わらない跡部と並んで、頭一つ分近く突き出ている大男のことを。
 腕の太さも跡部の倍くらいはあるのではないだろうか。顔立ちも言っては悪いが老けている。跡部の言うことに律儀に頷く姿だけは幼く見えた。逆に言えば、でかい図体でそれをやられるとかなりの違和感がある。でくの坊という言葉がぴったりであるように思えた。テニスの腕が抜群に良い、というのが信じられない。
 彼は解散後すぐに跡部に呼ばれた。誰も跡部に近づけないような状況で、跡部から声をかけられた彼に、忍足もかなり驚いた。跡部は彼を親しげに「樺地」と呼ぶ。
 どうやら樺地と跡部は旧知の仲らしい。樺地はほとんどしゃべらないが跡部が一方的にしゃべっている。かなり機嫌がいいようだ。それは自分が部内一になったからなのか、樺地が二十位以内に入ったからなのか。
 二人が仲良くしゃべっているせいか、慈郎は少し離れた所で片づけをしながらも跡部の姿をちらちらと盗み見ていた。すねた子供のように不機嫌そうな顔をしながら他の二年生の後についてボールやラケットを片づける。しっかり集中できていないせいか、時折片づける場所を間違えて怒られていた。
 慈郎は逃げるようにしてコートを出る。忍足のすぐ横を通っていった。慈郎の後ろ姿に声をかける。
「なぁ、ジロー」
 あからさまに肩が跳ねる。驚いたようだ。声をかけられるなどみじんも思っていなかったのだろう。それとも全く目線に入っていなかったのか。一年のころは同じクラスだったため、すれ違えば挨拶するくらいの仲ではあると思っていた。忍足は少し落胆する。
「あの一年、跡部と知り合いなん?」
 初等部で跡部と一緒だった慈郎なら知っていると思い、聞いてみた。岳人が興味深そうに体を乗り出す。忍足に寄りかかるような形になる。岳人の体重は軽いのだが、柱代わりにされてむかついた。
「邪魔やねん」
 額を軽く小突くと、岳人は大げさに額を押さえた。とがらせた口が「ケチ」と呟く。理不尽な抗議を無視して、忍足は慈郎に向き直った。慈郎は黙したままでいる。
「ジロー?」
 忍足が顔をのぞき込むと、慈郎は目をそらした。あからさまに視線を泳がせている。まごついた声で「樺地は、跡部の……」と答える。その先は答えない。
 ハッキリしない慈郎の答えに忍足はイライラした。知らないなら知らないと答えればいい。それ以上答えを待つことはなく、忍足は視線を周囲に投げた。長髪の男が掲示板の近くで一年生と話をしている姿が目に止まる。
「宍戸、ちょっと来いや!」
 忍足が叫ぶと、長髪の男が振り向いた。肩胛骨の下まで伸びた髪が宙を泳ぐ。綺麗な癖のない黒髪だった。女子が見たらさぞかしうらやましがるだろう。
 宍戸は話していた一年生に軽く手を挙げて離れる。一年生は深々と宍戸に礼をした。初々しい姿である。宍戸は忍足たちと同じ中学二年だったが、先輩も後輩も関係なく砕けた姿勢で話す男だった。そのため早くも後輩受けは良いようだ。
「何か用か?」
 乙女顔負けの髪に似合わず、荒っぽい口調で宍戸は忍足に近づく。
「宍戸〜、二十位以内入賞おめでとー!」
 忍足が口を開きかけたところで、岳人が宍戸にじゃれて飛びついた。またしても会話を中断されて忍足の額に青筋が浮かぶ。
「おう、お前もな」
 宍戸は岳人のおかっぱを手で思い切りかき回した。本人はなでているつもりなのだがいささか荒っぽい。二言三言お祝いの言葉を交わして、宍戸は再び忍足を見た。忍足は大きなため息をつく。
「樺地って奴、跡部の知り合いか?」
 宍戸はすぐに「ああ」と頷いた。
「聞くところによると、幼稚舎からの縁らしいぜ。というか家同士が仲良くやってるみたいで。樺地の家も相当な金持ちらしいぞ」
「うっそ!」
 宍戸の首に巻き付いたまま岳人が声を上げた。貧乏だとは思っていなかったが(だいいち氷帝学園は私立であるためそこそこ金がないと入学できない)まさかお坊ちゃんだとは想像もしなかった。忍足も同じ気持ちだったので今度ばかりは文句を言えない。
 宍戸は耳元で大きな声を出されてさすがに顔をしかめた。片手で耳を塞ぎながら、空いた手で岳人を追い払う。岳人は渋々離れて柵の傍に腰掛けた。
「跡部と樺地とジローのセットはよく見かけたよ。初等部の奴らは結構知ってる」
 忍足は少し引っかかることがあった。思わす尋ねる。
「今でも仲が良いのか?」
 宍戸は肩をすくめた。
「知らねぇよ。樺地と跡部が違う校舎に別れてからはさすがに連まなくなってたしな。でも」
 宍戸は視線を跡部たちの方に向ける。跡部は樺地の背中を叩いて部室の方へ向かっている。樺地は相変わらず何もしゃべらないが、ぴったりと跡部の横についていた。
「仲は良いんじゃねーの?」
 釈然としないながらも忍足は相づちを打った。引っかかっているものはまだ取れない。
 跡部と樺地の中に入らない慈郎。なぜが樺地のことを言いよどんだ。樺地と慈郎が喧嘩をして仲が悪くなった、とも考えられるが、跡部の態度からするとそうは思えない。跡部は傍若無人であるけれども友人への気遣いはさすがに忘れないだろう。少なくとも二人の仲が悪いならば、慈郎がいる前で堂々と話したりはしないはずだ。
 いや、跡部の性格からすると、どうだろうか。跡部の女王様気質を思うと、忍足は自信がなくなってきた。
 慈郎に直接聞いてみようかとも思い、忍足は慈郎の姿を探す。しかし慈郎の姿はすでになかった。三人が話している間に、どこかへ行ってしまったのだ。
 気付けば掲示板の前からも一年生はほとんどいなくなっていた。片づけも済んでしまったテニスコートに、三人はぽつんと残されていた。



続く



 冒頭のテニスシーンはものすごいテキトーです。フィーリングで読み飛ばしてください。テニスなんて授業でしかやったことがありません。しかもものすごく下手でした。
 氷帝キャラが続々と出てきました。後半は私にしては珍しく会話メインです。開き直って忍足ばっか。もはや忍足視点でお送りしております。これからも忍足少年が難解な慈郎二重人格の謎に取りかかってくれます。



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