白い花




白い花が 咲いていた
綺麗だったから 一輪 地面から引っこ抜く
「あ〜あ、可愛そうに」と 君は笑った

名前もよく判らないし そこらで見かけるような花だけど
白い花は好きだ 純粋無垢な白い色は空っぽで 俺たちの心のようだろ?

善も悪も 正しいことも誤ったことも
何もなく揺れている ただ白い花
都合の良いことは善で 都合の悪いことは悪で
多数決で決まっている世の中

ただ揺れている白い花は 善か 悪か?

草を踏みつけて歩く 白い花を引っこ抜く
寡黙な草木たちにとっては 俺は悪なんだろう
花を刈り取って 花だけ飾って楽しんでいる
それも 悪なんだろう?

ばかばかしい 屁理屈だというかも知れない
なら俺だって ばかばかしいと鼻で笑ってやるよ

俺達を悪だと決める ちっぽけな神様をよ
あんたが神なら
俺だって神になれるとは思わないかい?
ばかばかしい

ぽきりと折られた白い花 俺は花を殺した罪人さ
「何の罪もない」花を 俺は殺してしまったよ

ああ 俺は悪だね

白い花を掲げて 気ままに呟く
「たまには殺風景な部屋に花を飾るのも良い」
笑って言えば
「そうだね」
笑って返す 仲間が傍にいる

白い花は好きだ
その白い色の上に 俺たちは自由な世界を書くことができるから




―――――――――――――――――――――――――――――

あとがき:

訳が判らない。
今まで温めていたネタを色々交えて書いたので、一発書きよりはマシだと思いますが。
詩の視点は、多分香介君です。
すると問題になるのは、隣にいるのは誰だよ! ってことですね。
何故か、私の中では真っ先にカノンが浮かびました。
なんでやねん。
ここは無難に、理緒ということにしておいてください。
亮子ではないと思います、花を折ったときの反応が、私のイメージと違うので。
何だか、スパイラル以外の設定でも読める詩にしたかったのに、
微妙に失敗しちゃいました。
難しいです(いや、部活に使い回ししたいだけです、この人)。






読み物へ