大きな大きな世界に、小さな小さな一人の少女。
彼女は大きな大きな力を持っていて、大きな大きな運命の歯車を背負う。

神は彼女に何を求めるのか?
全ての者が平等に笑いながら暮らす世界で、何故彼女は運命を背負うのか?

それでも、世界には必要なのだ、犠牲となる者が。

誰かが笑っていれば、誰かは泣いているのだろう。
誰かが死ねば、誰かが生まれるのだろう。
誰かが泣かなければ、誰も笑うことは出来ないのだろう。
誰かが死ななければ、誰も生まれてくることはないだろう。

そう、世界には犠牲が必要なのだ。
誰かが幸福ならば、誰かが不幸になる。
誰だって不幸にはなりたくない。
けれど、幸福になるためには、誰かが不幸にならなければならない。
運命を背負う者達は、世界を保つための大いなる生け贄だ。

しかし、思う。
きっと彼女らは、運命を笑顔で受け止めるのだろうと。
苦しいけれど、悲しいけれど、嫌だけれど、最期にはきっと笑うんだ。

彼女の苦しみは、世界を幸福にする。
彼女が泣く裏で、人々は笑いあえる。
彼女は、何より、人々の幸福を、望んでいるだろうから。
他を思う気持ちは、何よりも強いから、彼女は向かって行く。
運命に。

例え自分が死んで、誰かが泣くとしても、誰かが生きれることを願って。
犠牲は、仕方がないのだからと言って。

そうして彼女が死んでも、人々は忘れてしまうのだろう。

それでも良いのだと思う。

たった一人が、彼女のことを覚えていれば。
たった一人でも誰かが生き残っていれば。
たった一人が、彼女のことを思いだしてくれたならば。

だから彼女は選ばれた。
大きな大きな運命に捧げられる、犠牲者に。
誰かがやらなければならないのだから。

運命へ踏み出す足が震えても、まっすぐに歩いていく。
勇気なんか無くて良い。
ただ、歩いていく力さえあれば。

誰でも、大きな大きな運命の使者になれるのだ。
望みたくはないけど。

踏み出さなければ行けない一歩がある。
彼女は、震える足を、一歩踏みだし。
運命という名の戦いに、挑んでいった・・・。



END.



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必ずある犠牲。
ある意味運命に捧げられた犠牲者である、
アルルさんをイメージして書きました。
一時公式設定だったと言われる年表の、
数百年に渡る戦いの直前あたりの話でしょうか。
話がまとまっていない上に無駄に長たらしいのは、私の悪い癖ですが、
そんな中で、何か伝わる物があれば、幸いです。



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犠牲